「戦後80年 今こそ、平和を」――未来の世代へつなぐために
このたび善了寺では、全戦没者追悼法要およびお盆総法要にあわせて「公開特別講演会」を開催いたしました。
今年は、戦後80年追悼事業として、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の濱住治郎事務局長にご講演を頂きました。2024年にノーベル平和賞を日本被団協として受賞されて以来ご多忙にもかかわらず、御出講頂きましたこと心から感謝申しあげます。御法要から善了寺の門信徒さんはじめ、多くの皆さまにお参り頂きました。毎年お勤めしている法要ですが、戦後80年という節目に皆さんとご一緒出来たことは本当に尊いことでした。
講師プロフィール
講師は、2024年ノーベル平和賞候補にも名を連ねた、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)事務局長の濱住治郎(はまずみ じろう)氏です。

1945年(昭和20年)8月6日、広島で原爆が投下されたその日、その地で胎内被曝をされました。
母のお腹の中で被爆した濱住氏の父は爆心地近くの会社に勤務しており、原爆によって命を落とされました。
その後、氏は教職を経て、日本被団協の事務局次長、事務局長として、国内外で被爆体験を語り、核兵器廃絶と平和の尊さを訴えてこられました。
また、2025年には日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員に就任予定です。
「責任」という言葉が重く響くご講演でした。浄土真宗のお盆は、世間をいきるものだけで、お勤めするのではありません。常に「南無阿弥陀仏」阿弥陀さまの利他力(この私を救うはたらき=光明)の中で受け止めていく御法要です。往生された多くの先人方とともにお勤めするとき、『責任』はこの世間を今生きるものだけが担っているのではありません。還相回向と申します。多くの先人が利他力によって救われ、つねに、今ここに還り来て、私たちと共に苦悩を超える道を歩んで下さるとき。平和への責任を共に担ってくださるのです。
浄土真宗のお盆法要はまさに、多くの先人と共に平和への道を歩む尊い御法縁となるのです。濱住さんのご講演は戦後80年の節目に共に、平和への責任について改めて気づかされる尊いご縁を頂きました。ここからまた、新しい一歩を共々に歩んでまいりましょう。 南無阿弥陀仏 合掌
濱住氏の当日の講演の一部は以下YouTubeからご覧いただけます